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心の目

先日、お電話で「手帳数ページに名前などを書いてほしい、いくらかかりますか?」というお問合せをいただきました。

 

弊社のホームページを見て、筆耕を承ていることからのご連絡でした。

 

内容をお聞きしたところ、ボリュームもありそうでしたので、

全てを手書きするよりも、ゴム印を作って押した方が安価にできると思い、ご案内しましたところ、

次の日に、ご連絡の上、ご来店くださいました。

 

ご来店くださったのは、サングラスをかけ、白い杖をお持ちの、盲目の男性でした。

 

お席までご案内し、お話を伺ったところ、

「いままでお願いしていたところが移転して頼めなくなり、ホームページで検索をして、何店舗かに電話をしてみた」

ということです。

そして、

「爽やかな声だったので、こちらへ伺いました」

とおっしゃってくださいました。

 

何と!嬉しいお言葉♪

 

それから、ご注文を承ったり企業概要をお話したりする中で、

そのお客様は、ゲーム機くらいの点字やボタンのついた黒い四角い機械を、カタカタとタイピングしておられました。

何なのかをお聞きすると

「話の内容などを打ち込んで保存できるもので、ケーブルで繋げばパソコンにもデータを取り込めるんですよ」

と言われました。

「私、初めて見ました!特殊なものだから高価そうですね」

と言うと、

「これ〇〇万円くらいです」

と。

「・・・お高いですね!!」

スマホやパソコンより高額なもので、驚きました。

 

「使う人も少ないし、特殊ですし、このくらいの値段になるんでしょうね。

 でもね、この機械を、5万円分くらいしか活用できない人もいれば、50万円分くらい活用できる人もいます。

 私にとっては便利で、安いくらいに思いますよ。」

とおっしゃられていました。

 

 

初めての方との出会いでしたが、

目に見えない「声」の大切さや

ものの値段や価値は人によって様々であること、

このコロナ禍で、お互いの表情も見えづらい毎日。

なんだか心にしみる、ひと時でした。

 

Y様、商品ができあがりましら、お送りしますね!

またのご来店をお待ちしております。