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デザイン経営とは?

デザイン経営とは?


みなさん「デザイン経営」という言葉をご存知でしょうか??

言葉は知ってる、言葉はしてるけど意味は知らない、今回初めて知ったという人もいるのではないでしょうか??

 

「デザイン経営」とは

 

 日本は人口・労働力の減少局面を迎え、世界のメイン市場としての地位を 失った。さらに、第四次産業革命により、あらゆる産業が新技術の荒波を受 け、従来の常識や経験が通用しない大変革を迎えようとしている。そこで生 き残るためには、顧客に真に必要とされる存在に生まれ変わらなければなら ない。そのような中、規模の大小を問わず、世界の有力企業が戦略の中心に 据えているのがデザインである。一方、日本では経営者がデザインを有効な 経営手段と認識しておらず、グローバル競争環境での弱みとなっている1 。

デザインは、企業が大切にしている価値、それを実現しようとする意志を 表現する営みである。それは、個々の製品の外見を好感度の高いものにする だけではない。顧客が企業と接点を持つあらゆる体験に、その価値や意志を 徹底させ、それが一貫したメッセージとして伝わることで、他の企業では代 替できないと顧客が思うブランド価値が生まれる。さらに、デザインは、イ ノベーションを実現する力になる。なぜか。デザインは、人々が気づかない ニーズを掘り起こし、事業にしていく営みでもあるからだ。供給側の思い込 みを排除し、対象に影響を与えないように観察する。そうして気づいた潜在 的なニーズを、企業の価値と意志に照らし合わせる。誰のために何をしたい のかという原点に立ち返ることで、既存の事業に縛られずに、事業化を構想 できる。

このようなデザインを活用した経営手法を「デザイン経営 」と呼び、それ を推進することが研究会からの提言である。

https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei/document/chusho/chusho-handbook.pdf 

経済産業省・特許庁「産業競争力とデザインを考える研究会」の資料より流用)

 

個人的にはデザイン経営で真っ先に浮かぶのはAppleです。

AppleがiPhoneやiPadのプロダクトデザインだけでなく

搭載しているiOSのユーザーインタフェースやパッケージのデザインにまで

細部を凝らした商品なのは多くの方が体験したことあるのではないかと思います。

 

デザイン経営って効果はあるの?


デザインに経営資源を投入することにまだまだ消極的な日本ですが

デザインの投資効果を考えるとBritish Design Councilは多くの利益を得られると発表しています。

 

 Design Value Indexは、S&P500全体と⽐較して過去10年間で2倍以上成⻑したことを明らかにしています。

これはデザインへの投資が企業の成長において重要な位置付けであることがわかります。

 

(図:2018年 経済産業省・特許庁『「デザイン経営」宣⾔』より)

 

デザイン経営の定義と取り組み方


効果があるならぜひ導入したいとお思いの方もいらっしゃると思いますが

じゃあどうすればいいの?

どこから手をつければいいの?

という方にデザイン経営の定義の説明を参考にされると良いと思います。

 

デザイン経営の定義として

本質は、人(ユーザー)を中心に考えることで、根本的な課題を発見し、これまでの発想にとらわれない、

それでいて実現可能な解決策を、柔軟に反復・改善を繰り返しながら生み出すことです」と定義されています。

ここで重要なことは「その本質は、人(ユーザー)を中心に考える」という点です。

「デザイン経営宣言」においても、「革新的な技術を開発するだけでイノベーションが起きるのではなく、

社会のニーズを利用者視点で見極め、新しい価値に結び付けること、

すなわちデザインが介在してはじめてイノベーションが実現する」としています。

「利用者視点で見極めること」、つまり「人(ユーザー)を中心に考えること」が強調され、

そのためにデザインの力が必要になるのです。

 

デザイン経営の定義に従って自社で取り組み方として

経済産業省の「デザイン経営宣言」では、デザイン経営と呼ぶための必要条件として、次の2点が挙げられています。

(1)経営チームにデザイン責任者がいること

(2)事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること

 

この場合のデザイン責任者とは

「製品・サービス・事業が顧客起点で考えられているかどうか、

またはブランド形成に資するものであるかどうかを判断し、

必要な業務プロセスの変更を具体的に構想するスキルを持つ者」とされています。

 

その具体的な取り組み方について、次の7項目を挙げています。

(1)デザイン責任者(CDO、CCO、CXOなど)の経営チームへの参画

(2)事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画

(3)「デザイン経営」の推進組織の設置

(4)デザイン手法による顧客の潜在ニーズの発見

(5)アジャイル型開発プロセスの実施

(6)採用および人材の育成

(7)デザインの結果指標・プロセス指標の設計を工夫

 

 

なかでも

(1)デザイン責任者の経営チームへの参画と

(2)事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画は、必須条件です。

 

最後に


いま企業は、人(ユーザー)が何を求め、

あるいは何に困っているかなどを企業の目線ではなく、人(ユーザー)目線で考え、

自社の製品やサービスを選択してもらわなければなりません。

そのために必要になるのがデザインの力であり、

デザインの力を経営に生かす「デザイン経営」ということになります。

 

これは社内に製作部門がある弊社も他社より有利な部分もあり、

デザイン部門を活かしきれていない企業・デザイン経営をまだ導入できていない企業にとっては

新たな変革への可能性を秘めていると言えます。

 

 

より詳しくわかりやすい資料として

特許庁が出している「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック 」という資料が

無料でダウンロードできるのでぜひ、これからデザイン経営を自社に取り入れたい方はご覧ください

 

ダウンロードはこちらから

中小企業のためのデザイン経営ハンドブック(PDF:7.408KB)